刀   銘  肥前國住近江大掾藤原忠廣 (新刀・上々作)(大業物)

特別保存刀剣鑑定書(平成27529)

                 ¥1,350,000(税込)

金着二重鎺、木羽巻白鞘付

東京都教育委員会登録証(昭和481220)

◎時代・国  

江戸初期(370年前)、肥前。

 

◎法量

刃長70.1(231) 反り1.5(5)

元幅3.22(16) 先幅2.22(73)

元重0.71(23) 先重0.49(16)

鋒長4.12(136) 茎長20.2(667)

 

◎形状

鎬造、庵棟、身幅・重ね共にしっかりとした健全なる体配で、反りがあって姿良く、中鋒が延びた力強い体配である。

 

◎鍛

小板目に小杢目が交じって頗るよく約み、小糠肌風となるも地景頻りに入り、地沸がよくついて地沸映り立つ。

 

◎刃文

小沸出来、直ぐ刃調から小湾れとなり、匂いついて細かい足入り、明るい。

 

◎帽子

直ぐで入り、小丸に上手に返り、先細かく掃き掛ける。

 

◎茎

生ぶ、先入山形、鑢目切、目釘孔1

 

◎説明

本作は近江大掾忠広の真骨頂でもある直ぐ刃調に、小湾れを焼いて出来が良く、反りがあって中鋒が延びた力強く姿が良い体配の新刀・上々作・大業物の優刀である。

特に地鉄は小板目に小杢目が交じって頗るよく約み、地景が頻りに入り、地沸が厚くついて地沸映りが立って明るく冴えている。

近江大掾忠広は慶長19年、武蔵大掾忠広(初代忠吉)の嫡男として生まれ、寛永9年、父没後19歳の若さで忠広を襲名した。

 

寛永18年には近江大掾を受領し、元禄6年に80歳の高齢を以って没する迄、60年の長きに渉って多くの名品を遺し、また多くの門弟を養成した名工である。


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