特別保存刀剣鑑定書(平成18年7月3日)付
¥400,000(税込)
金着一重鎺、白鞘付
東京都教育委員会登録証(昭和26年3月28日)付
◎時代・国
江戸中期(329年前)、山城。
◎法量
刃長25.5㎝(8寸4分) 無反り 元幅2.85㎝(9分4厘) 元重0.69㎝(2分3厘)
◎形状
平造、庵棟、長さ・身幅ともに尋常で、その割に重ねがしっかりとした健全なる短刀体配である。
◎鍛
小板目に小杢目が交じって頗るよく約み、地沸よくつき、細かい地景が盛んに働いて明るい。
◎刃文
小沸出来、匂い深く、互の目乱れ、涛瀾風となり、太い足がよく入り、細かい金筋・砂流し交じり、刃明るい。
◎帽子
直ぐで入り、小丸に返り、先掃き掛ける。
◎茎
生ぶ、鑢目化粧付筋違い、先栗尻、目釘孔2。
◎説明
信濃守信吉は京五鍛冶(伊賀守金道・近江守久道・丹波守吉道・近江守忠綱・信濃守信吉)の一人に上げられ、禁裏御用を勤めて、毎年正月には小刀15本を献上し、天盃を賜ったといわれている。
本作はその二代目で、高井金三郎ともいい、初め藤原を称して後に源と改め、大坂にも住した。
当時大坂では越前守助広と井上真改の両巨頭が隆盛を極めており、特に助広の涛瀾刃は人気が高く、後世、「新刀弁疑」等の著者、鎌田魚妙は助広を新刀第一と賞賛している。本作はまさにその助広の涛瀾刃の影響を受けて鍛刀したものと思われ、匂い口が明るく、きめ細かい地鉄と小沸の付き方は、本歌を凌駕するほどの出来映えで、金筋・砂流し・地景の働きも目を見張るものがある優刀である。