脇指  銘  肥前國住人忠吉作(初代)  (新刀・最上作)(最上大業物)

特別保存刀剣鑑定書(令和51215)

特別貴重刀剣認定書(昭和4292)

                ¥1,600,000(税込)

金着一重鎺、白鞘付

秋田県教育委員会登録証(昭和29515)

◎時代・国

桃山期(400年前)、肥前。

 

◎法量

刃長39.1(129) 反り1.5(5)

元幅2.86(94) 元重0.66(22)

茎長11.7(386)

 

◎形状

菖蒲造、庵棟、身幅・重ね共に尋常で、鎬高く、反りが強くついて、姿が良い。

 

◎鍛

板目に杢目交じって、地沸微塵によくつき、やや肌立って地景入り、明るい。

 

◎刃文

互の目・丁子乱れ華やかに、太く長い足・葉よく入り、よく沸づいて、金筋・砂流し頻りにかかり、飛焼・湯走り等交じり、明るい。

 

◎帽子

直ぐで入り、小丸に返り、先掃き掛ける。

 

◎茎

生ぶ、先栗尻、鑢目切、目釘孔1

 

◎説明

初代忠吉は、橋本新左衛門と称し、肥前鍋島藩の抱え工で、慶長元年に藩命により一門の宗長と共に京の埋忠明寿の門に入り、忠吉は鍛刀、宗長は彫技を学んだ。同年三月に帰国して佐賀城下に住し、藩の庇護のもとに大いに栄えた。元和十年に再度上洛して武蔵大掾を受領し、名を忠広と改め、初め氏を「源」としたが、後に「藤原」に改めている。

寛永九年八月十五日に61歳で没する迄、約30年に亘って作刀と弟子の養成に励んだ「最上作」「最上大業物」の名工である。

 

本作は比較的稀少な菖蒲造りの形状で、地沸が微塵によくついて地景の入った地鉄に、華やかな互の目・丁子乱れに太く長い足がよく沸づいて、金筋砂流しが頻りにかかり、飛焼・湯走りが交じっている。激しく華やかな刃文は出来が良く、初代忠吉作刀中の優品である。


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