第46回重要刀剣指定書(平成12年10月5日)付
¥5,800,000(税込)
金着一重鎺、白鞘付
東京都教育委員会登録証(昭和40年9月9日)付
◎時代・国
南北朝期(約660年前)、備中。
◎法量
刃長71.5㎝(2尺3寸6分) 反り1.3㎝(4分3厘)
元幅3.0㎝(9分9厘) 鎬元重0.78㎝(2分6厘)
茎長20.7㎝(6寸8分3厘)
◎形状
薙刀直し造、庵棟、身幅広く、鎬高く、鎬地を削いで重ね薄く、反りが浅くついた豪壮なる体配である。
◎鍛
小板目に小杢目交じり、肌目細かに立って縮緬風となり、地沸つき、地景細やかによく入り、棟寄りに乱れ状、刃寄りに筋状のいわゆる段映りが立つ。
◎刃文
中直刃調に浅くのたれごころをおび、小互の目、処々角張る刃交じり、小足入り、匂口しまりごころに小沸つき、金筋・砂流し小さくかかって総体によく働き、匂口明るく冴える。
◎帽子
直ぐに焼きづめる。
◎彫物
表裏に腰樋と丈の長い添樋を共に搔き流す。
◎茎
磨上、先切、鑢目(旧)不明・(新)切り、目釘孔2。
◎説明
次吉は次直・守次らと並び、南北朝中期の青江派を代表する刀工の一人である。その作風には直刃と華やかな逆丁子乱れの二様があるが、概して次吉には直刃が、次直には逆丁子乱れが多く、いずれも匂口がしまり、明るく冴えるもので、見どころともなっている。
本作は、元来薙刀であったものを刀に仕立て直したもので、鍛えは小板目に小杢目が交じって肌目が細かに立ち、地沸がつき、棟寄りには乱れ状、刃寄りには筋状の映りが立った、いわゆる段映りを見せ、刃文は中直刃調に浅くのたれごころをおびて小互の目を交え、小足が入り、匂口がしまりごころに小沸がつくなど、次吉の典型的な作風をあらわしている。
彼の本領を発揮した直刃の作域で、常の同工の作以上に地景が細やかによく入って目立ち、また匂口は明るく冴え冴えとし、優れた出来映えを示しており、加えて在銘であることも好ましい。(重要図譜より転載)